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JA・組合員活動

生産者へ稚蚕を配布 養蚕の伝統守る

2021.10.04

生産者へ稚蚕を配布 養蚕の伝統守る

 JAおやまは9月25日、小山市の稚蚕飼育所で3齢飼育蚕の配蚕作業を行いました。JA養蚕農家5戸に1箱1万2500粒換算で約48箱分・約60万頭の稚蚕を配蚕しました。

 1~3齢の稚蚕は、滅菌された環境の飼育室で稚蚕飼育人工飼料を与えて育てます。蚕はふ化してから繭になるまで4回脱皮します。養蚕農家には、生まれてから約11日目の3齢に育った時点で蚕を配ります。

 作業は緑色の鉄製パレット台の上で行います。白衣に身を包んだ作業員が、蚕座紙の上に広げた蚕と人工飼料を、羽根ほうきを使って丁寧に中央に掃き寄せ、紙ごと包み込みました。その後、配蚕口に待つ農家へ手渡し、各農家で飼育が始まります。

 JA農畜産課の須藤日出夫さんは①速やかに中蚕専用蚕室に移動させ、急な高低温に注意し、蚕児が落ち着くのを待つ②2回目の給桑で人工飼料と分離する③飼育室温度は朝夕25度以下にならないように注意する-ことなど良質繭の生産への注意を促しました。

 五十畑茂部会長は「農家は減っているが、伝統を絶やさぬよう、繭生産を頑張り、稚蚕飼育所で大切に育てられた蚕をしっかり成長させたい」と話しました。

 蚕は10月中旬に上蔟(じょうぞく)し、10月23日ごろに群馬県の碓氷製糸へ出荷する予定。同部会は春蚕から晩秋蚕まで年5回飼育。優良繭生産を目指し、研修会や繭品評会への出品などを実施しています。