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JA・組合員活動

「本場結城紬」の伝統継ぐ 小山市の須藤英さん

2020.12.09

「本場結城紬」の伝統継ぐ 小山市の須藤英さん

全工程手作業 後継者養成にも尽力

 100年以上にわたり結城紬(つむぎ)を生産してきた家に生まれ育った須藤(まさる)さん(58)。栃木県本場結城紬織物協同組合の理事長でもあり、「本場結城紬」の伝統技法継承や後継者養成に尽力しています。

 「本場結城紬」は、①糸つむぎ②絣(かすり)くくり③()(ばた)織り-の3工程が国の重要無形文化財になっており、全工程を職人が手作業で行う伝統的な高級絹織物。縦糸が太く、横糸が細く、肌触りがよく生地が丈夫で温かく軽いのが特徴です。

 須藤さんの店では、機織り専門の職人が6名在籍。真綿かけから反物になるまで約40工程全てを須藤さんの工房で行っている。柄物の反物では製作に1年を要します。

 結城紬業が抱えている問題は、生産数の減少や高齢化問題・後継者の不足など。力仕事ではないため長い間、職として携わることができるが、技術の継承は多くの時間が必要となります。

 小山市では、後継者育成のため生産技術の伝承や人材を育成・確保の機会を設けています。短期集中講座による糸つむぎ技術者の新たな養成や真綿かけ技術者の講習会を開いており、染色技術者本場結城紬の生産に関わる技術講習会なども検討しています。

 同協同組合では、小山市と協力し、小山産繭からの一貫体制を確立のため、同市のJAおやま養蚕部会が出荷した小山産繭を使用した結城紬の製作プロジェクトを行っています。小山産繭の生産・活用を積極的に進め、「本場結城紬」の生産基盤の強化や復興振興を図っています。

 須藤さんは「小山市の誇る伝統産業「本場結城紬」が今年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されて10周年記念となる。小山市には、「本場結城紬」の製作工程の紹介や本場結城紬小物・桑を使用した菓子類など土産物の販売をする施設もあり、その価値を多くの人に知ってもらい魅力をさらにPRしていきたい」と意気込みを語りました。