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JA・組合員活動
気象変動に田んぼダム 洪水対策で普及推進
2024.11.29
栃木県は、農地や農業水利施設が有する雨水貯蓄機能を生かして洪水を防ぐ「田んぼダム」の取り組みを進めています。田んぼダムは、田んぼの排水路に専用の板を設置して雨水をため、大雨時に水田からのピーク流出量を人為的に抑制するなど、洪水被害の軽減が期待できます。
栃木県は、2023年9月に、水災害リスクを低減する対策の方向性を示した「思川流域農村地域雨水流失抑制対策基本指針」を制定。流域の関係者が思川流域農村地域雨水流出抑制対策協議会を設立し、一体となって対策を推進しています。
11月14日には、小山市の道の駅思川の小山評定館で同協議会第1回会議を開催。県や近隣の市、土地改良区や多面的機能支払交付金活動組織、関係者ら約90人が参加しました。対策の着実な実行に向けて、新潟大学農学部の宮津進准教授から田んぼダムの取り組みについて講演があり、全国の取り組み状況や効果、必要性を学びました。栃木市の圃場(ほじょう)で田んぼダムの落水口の概要と効果説明、設置作業実演もありました。
近年、気候変動の影響により集中豪雨が増え、水害リスクが上昇。流域全体で総合的でかつ多層的な水災害対策が求められています。栃木県によると県内で田んぼダムは9市町の約4800ヘクタールで実施されていますが、地域で取り組み状況の差があります。同協議会は、取り組み拡大に必要な普及啓発や情報発信など進めていきます。
同事務所の加藤敬総括補佐は「実演などを通して、田んぼダムの必要性を学び、安全・安心な農村地域を守っていくため、田んぼダムに取り組んでもらいたい」と話しました。