ＪＡおやまは５月１１日、小山市北飯田のＪＡおやま稚蚕飼育所で、春蚕の掃き立て作業を始めました。

　人工飼料飼育による掃き立ては、種紙（３０センチ×２１センチ）の中にいるふ化したばかりの蚕（毛蚕＝けご）に新しい蚕座に移し、餌を与ること。人工飼育を１０日間行い、３齢２日目の蚕（２回目の脱皮、ふ化後１１日目、体長が約３センチ）になった時点で農家に配り、人工飼料飼育から桑葉に切り替えて飼育します。

　掃き立て作業の同日は、普通蚕種「春嶺鐘月」７５枚（１枚約１万２５００頭）の他、学校教材として「おやま黄繭」約１８００頭、「緑繭２号」約１８００頭を掃き立てしました。白衣に身を包んだ作業員が、蚕座紙の上に広げた蚕に、専用の切削板（せっさくばん）を使い、人工飼料を細かく切削しながら与えます。この日の給餌量は１枚当たり２１０グラムだったが、１０日後には約１２倍の２．５キロの餌を与えます。

　春蚕Ｉ期目の蚕は、養蚕農家へ配る配蚕作業を５月２１日に行いました。今回の蚕は、６月に上族（じょうぞく＝蚕が繭を作り始める状態）を迎えます。６月中旬には、群馬県の碓氷製糸へ約１．６トンを出荷する予定です。