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JA・組合員活動

ビール大麦 産地守る 設立40年、優良表彰励みに

2022.05.26

ビール大麦 産地守る 設立40年、優良表彰励みに

 JAおやま管内は、全国屈指のビール大麦の産地です。622名の生産者が約1577ヘクタールを栽培しています。加工前のビール大麦は、消費者にとってなじみが薄いかもしれませんが、これから夏本番を迎え、大人ののどの渇きを潤す「ビール」に形を変えます。

 豊田地区の大島三千男さんは、サラリーマンを経て、56歳で就農。就農と同時期に、JAおやま豊田ビール大麦採種部会の役員に抜てき。現在は部会長を務め、約7年となります。三千男さんは、種子用ビール大麦とビール用ビール大麦を約5ヘクタールで栽培しています。「作物はうそをつかない。自分でやった分だけ、結果として残る。手を入れなければそのまま。本当に正直だ」と笑顔で話します。

 ビール用のビール大麦は、JA管内11施設に運び込まれ、乾燥・調製・検査が行われます。その後、JA全農とちぎを通じて、アサヒビール株式会社やサントリーホールディングス株式会社に出荷しています。

 豊田ビール大麦採種部会では、31人の生産者が約76ヘクタールで種子用のビール大麦「ニューサチホゴールデン」を栽培し、出荷しています。ビール大麦は乾燥を好むため、冬場に降雪が少なく晴れ間の多い同地区は栽培に適していることから、栽培も盛んです。同部会は、県内唯一、ビール大麦の種子を各部会員が乾燥・調製し、袋詰めまで担います。調製した種子は、県内各地・県外に出荷します。2020年には、栃木県米麦改良協会から麦類種子の部で優良種子生産部会として表彰されました。2022年度は、豊田ビール大麦採種部会は40周年を迎えます。  

 部会員の意識統一を図るため、栽培講習会や現地確認会を定期的に行っている他、役員会を月1回実施し、情報交換をして技術向上、維持に努めています。

 豊田地区の広大な農地は、6月にビール大麦が収穫期を迎え、たわわに実った穂が爽やかに風に吹かれ、黄金色に輝きます。

 三千男さんは「優良種子生産部会として受賞したことは信頼の証し。40年という歴史ある部会・産地を守り、消費者を考え、品質良く、安全・安心を第一に取り組み、日本一の圃場(ほじょう)を維持して頑張っていきたい」と話します。