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JA・組合員活動
「錦秋鐘和」出荷 製糸工場へ 「選除繭」生産者大忙し 糸が引き締まり、良質に
2021.11.04
JAおやま養蚕部会は10月23日、桑青果物集出荷所で繭の出荷を行いました。今回は晩々秋蚕期繭と呼ばれ9月上旬にふ化した蚕「錦秋鐘和(きんしゅうしょうわ)」を出荷しました。
生産者6戸が袋詰めで持ち込んだ約1340キロの繭を選繭台に載せ、汚れ繭、穴あき繭、薄皮繭、玉繭などを出荷者が手作業で取り除く「選除繭」を行い、群馬県の碓氷製糸に送りました。
今回出荷した繭は、9月25日生産者に配蚕されたもの。温度、湿度ともに環境を整えるのが難しい中での飼育となりましたが、粒が全体的にそろい、品質の良い繭に仕上がりました。1粒当たりの平均重量は昨年より11%ほど重い約1・9グラム(前年1.7グラム)で、糸が引き締まった良質な繭となりました。「錦秋鐘和」は春繭と比べて糸が細く、繭の光沢が良いのが特長。
JA営農部農畜産課の須藤日出夫担当は「部会員の長年の経験と技術が高品質な繭の生産をさせる環境づくりにつながり、年間目標の6トンを上回る6.3トンの出荷となった。桑作りの施肥、病害虫防除などの管理を徹底して栽培し、さらなる好成績を目指そう」と呼び掛けました。
五十畑茂部会長は「盆の長雨で桑の葉の劣化が懸念されたが、部会員の技術で、良い繭を出荷できた。年間通しても気候変動が多く苦労したが、目標を達成できた。これからも皆で技術を高め、多くの人に日本の絹文化を楽しんでもらいたい」と話しました。
同市の絹織物「本場結城紬(つむぎ)」は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されています。JAは伝統を途絶えさせぬよう、市内の小学校などの児童に毎年春蚕を配って飼育する機会を設け、養蚕への理解を深める場を提供しています。