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JA・組合員活動

晩々秋蚕期繭を出荷 着物で275反分

2020.11.02

晩々秋蚕期繭を出荷 着物で275反分

 JAおやま養蚕部会は10月23日、JA桑青果物集出荷所で繭の出荷を行いました。年5回行っており、今回は晩々秋蚕期繭と呼ばれる9月上旬にふ化した蚕「錦秋鐘和(きんしゅうしょうわ)」を出荷しました。

 生産者7戸が袋詰めで持ち込んだ約1,380キロの繭は、選繭台(せんけんだい)に載せ、汚れ繭、穴あき繭、薄皮繭、玉繭などを出荷者が手作業で取り除く「選除繭(せんじょけん)」を行い、群馬県の碓氷製糸に送りました。

 今回出荷した繭が生産者に配蚕されたのは9月25日。温度・湿度ともに環境を整えるのが難しい中での飼育となりましたが、全体的に粒のそろった品質の良い繭に仕上がりました。1粒当たりの平均重量は1.74グラムで、糸が引き締まった良質な繭となりました。光沢があり、粒ぞろいの良い繭に仕上がりました。

 JA営農部農畜産課の須藤日出夫担当は「春蚕期は、4月中、下旬の降霜害の影響で桑の葉の生産量が懸念されたが、年間を通して作柄は安定しての出荷だった。晩々秋蚕期は粒もそろい、良質な繭が出荷でき、着物1反を作るのに5キロの繭が必要で、今回275反分の繭を出荷できたことはとても素晴らしいことだ。これからも質にこだわり、よく選別して出荷するよう心掛けていこう」と呼び掛けました。

 五十畑茂部会長は「晩々秋繭は、7月の日照不足、8月の猛暑、9月下旬からの急激に寒さでの飼育で病気などが懸念されたが、部会員の経験があるからこそ乗り越えることができた。部会員と協力し、これからも良質なおやまブランド繭の生産に努めていきたい」と意気込みを話しました。

 同市の誇る伝統産業「本場結城紬(つむぎ)」は、今年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されて10年となり、伝統産業を途絶えさせぬようJAは、市内の小学校などの児童に毎年春蚕を配蚕し、飼育させ養蚕に理解を深める機会を提供しています。