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野生の命無駄にせず 肥育してジビエに

 

 小山市の坂本一貴さん(37)は、イノシシなどによる農作物被害、自然生態系のかく乱を懸念し、父や地元の仲間が狩りをする場に同行して、共存の在り方を探ります。

 一貴さんの知人らは、イノシシによる農作物の被害が甚大になり、小山市や下野市から多くの捕獲依頼を受け、箱わなを設置しています。農作物の被害は、サツマイモやトウモロコシなどが多い。イノシシは、市内には生息していなかったが、山を崩すことやダムの影響で生息地域が拡大しているとみられます。

 一貴さんは「ここ数年のイノシシの捕獲頭数、農作物への被害、人的被害の恐れから生息頭数の急増ぶりが伺える。獣害は、ゼロにならなくても、コントロールはできる。地域住民、行政などと一体となって獣害対策に取り組む必要がある」と話します。

 農地や農作物を荒らす“厄介者”のイノシシの有効活用を考えます。猟友会の仲間から「イノシシの処理に困っている」との声を聞くからです。市などからの依頼で捕獲したイノシシは、加工技術や処理方法が困難なため、殺処分し廃棄されます。「イノシシは血の抜き方などの処理をしっかりとすれば、くさみもなくおいしい」と一貴さん。ぼたん鍋だけでなく、バーベキューなどさまざまな肉料理に活用し「食文化」としても可能性をみます。

 知人からイノシシの赤ちゃん、うり坊を譲り受け、成長させて食べる考えです。野性の命を無駄にせず、おいしいジビエ(野生鳥獣の肉)として生まれ変わらせます。「捕獲して廃棄を強いられるのではなく、その先も見据える必要がある」と捉えます。