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高品質繭出荷に汗 県内一の産地守る

 

 出荷に向けてする「回転蔟(かいてんぞく)」から繭を外す作業をするJAおやま養蚕部会の部会長五十畑(いかはた)茂(72)さんと妻、啓子さん(69)。

 五十畑部会長は、春蚕を約25万頭飼育し、繭の出荷は年4回(春蚕I、春蚕Ⅱ、晩秋I、晩秋Ⅱ)行っています。稚蚕は、体が小さく弱いため、滅菌された環境の飼育室で稚蚕人工飼料を与えて育てられます。蚕は、ふ化してから繭になるまで4回脱皮し、3齢(生まれてから約11日目)に育った時点で養蚕農家に配られます。蚕は、養蚕農家に配蚕後、約15日で約8センチの大きさになります。繭を作る時期を迎えると、風通しの良い高い場所に設置した回転蔟(=均等に繭を作るように回転させる格子状の木枠)の中で、約3、4日間かけて蚕は繭を作ります。

 小山市の桑地区の養蚕農家は、最盛期には300軒超でしたが、化学繊維の台等や後継者不足で、現在では8戸となってしまいました。しかし、JAおやまの養蚕部会は、養蚕経営農家の育成と産地維持に取り組み、生産者の高齢化や後継者不足による深刻化している繭生産の減少に歯止めをかえる方針を掲げ、高品質繭生産事業及び養蚕ヘルパー雇用助成事業の実地などに取り組んでいます。

 県内の繭生産量は、全国2位を誇り、JAおやま管内の養蚕農家は8戸で、県内生産量の51%を生産しています。

 同部会は、県内一の生産量を誇る養蚕を子どもに知ってもらう目的で、小山市の小中学校などに「養蚕の授業」を行い、地域の伝統・文化を学ぶ機会を作っています。

 昨年、茨城県笠間市の笠間稲荷神社で開かれた「新嘗祭・献穀献繭祭」にも参加。品評会献繭の部門で碓氷製糸株式会社社長賞に部会長の五十畑茂さんの「春嶺鐘月」が輝きました。

 五十畑部会長は「今年は、4月中旬の霜害の影響で桑の葉の生育を懸念していたが、繭は順調だ。蚕には良い環境を与え、高品質なものを出荷したい」と話しました。