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養蚕や絹織物みっちり 栃木・小山市立絹義務教育学校 1~9年生まで品評会出品

 

 栃木県の小山市立絹義務教育学校では、「ふるさと学習」の一環で、地場産業である重要無形文化遺産の絹織物「本場結城紬(つむぎ)」の生産工程を学ぶ機会を授業に取り組んでいます。養蚕から紬ができるまでを、1年生から9年生までの9年間かけて段階的に学ぶユニークで、中身の濃い体験型授業です。繭は品評会にも出品。桑の葉と実を使った調理の授業もある他、完成品は卒業生の贈り物になります。地元のJAおやまが毎年協力しています。

 絹地区は、かつて養蚕業が盛んで「結城紬」の絹糸の産地として知られていました。同地区では蚕のことを「おこさま」と呼び、わが子のように育てたといいます。同校は、地域の伝統産業や文化を肌で学んでもらいたいと体験型の授業に取り組んでいます。

 授業は、養蚕から糸紡ぎ、染色、機織りまで段階的に、体系的に楽しく学べるよう工夫しています。1・2年生が繭の飼育・収繭、3年生が煮繭・真綿かけ、4年生が糸紡ぎ、5年生が絣くくり・墨付け、3年生が作った真綿を染色、6年生は、5年生で染色した真綿を横糸にして地機織りを体験し、「結城紬のコースター」を織り上げます。

 さらに7年生は、本場結城紬の着心地を体験し、8年生は、1・2年生が育てた繭を使って9年生への卒業記念品「コサージュ」を作製。9年生は、桑の葉と桑の実を使った「桑の葉まんじゅう」を調理して味わうという流れです。体験を通じ蚕や繭の魅力、養蚕の意義などを学び、児童にとっては思い出深い授業となります。

 蚕はJAが提供し、飼育の指導もします。JAは、養蚕への理解を深めてほしいと、管内にある5校の教材として蚕を提供。同校との交流は、9年前に養蚕学習をしたいと依頼を受けたのがきっかけです。今年は、JAの稚蚕飼育所で育てた普通蚕品種「春嶺鐘月(しゅんれいしょうげつ)」と黄金色の繭を作る「小山黄繭(おやまおうけん)」、初めて飼育に挑戦した緑の繭の「緑繭(りょっけん)2号」を5月21日に配蚕しました。

 6月16日に、1・2年生が飼育した繭の収繭を実施。児童55人は、養蚕指導員の阿久津玄司さんや元養蚕農家の野沢正義さんに教わりながら、上蔟(じょうぞく)した繭をまぶしからはずして「毛羽」を取り除きました。

 飼育指導を行った阿久津玄司さんは「みんなと毎朝、桑の葉を与え栄養満点の中で収繭に至った。丁寧にお世話をしたから、とてもいい繭ができた。いい繭を品評会に出そう」とあいさつしました。

 児童は「緑の繭が好き。毛羽はとてもふわふわしている。当番で蚕に良い桑の葉っぱを与えて、大切に育てた」と話しました。

 今回は、「春嶺鐘月」(白繭)703粒、

      「小山黄繭」219粒、

      「緑繭2号」275粒、

                    合計1197粒

収繭しました。収繭された繭の中から、「小山黄繭」と「緑繭2号」を茨城県の笠間稲荷神社の献穀献繭祭で行われる品評会に出品する予定です。