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JA・組合員活動

ふ化した蚕 お引っ越し

2021.05.27

ふ化した蚕 お引っ越し

 JAおやまは5月11日、JAおやま稚蚕飼育所で、春蚕の掃き立て作業を行いました。人工飼料飼育による掃き立ては、種紙(30センチ×1センチ)の中にいるふ化したばかりの蚕を新しい蚕座に移し、餌を与え飼育します。

 人工飼育は、10日間行い、3齢2日目の蚕(体長が約3センチ)になった時点で農家に配り、人工飼料飼育から桑葉に切り替えて育てます。掃き立て作業初日には、普通蚕種「春嶺鐘月」72枚(1枚約1万2500頭)の他、小学校のふる里学習の教材用に「おやま黄繭」と「緑繭2号」を各約1300頭を掃き立てしました。

 また、今年初めて試験育で「おりひめ」約1500頭を掃き立てしました。新蚕品種「おりひめ」は、雌だけの蚕で緑色の繭を作ります。「おりひめ」は、緑色繭で雄繭より多くのフラボノイドを含有するため、化粧品分野での応用(抗酸化、保湿、美白作用)が期待されます。

 稚蚕は体が小さく弱いため、滅菌され、整備の整った環境の飼育室で人工飼料を与えます。飼育所で管理することで健康で生育のそろった蚕を農家に届けられます。白衣の作業員が、蚕座紙の上に広げた蚕に専用の切削板を使い、人工飼料を細かく切削しながら与えます。この日の給餌量は1枚当たり210グラムでしたが、10日後には12倍の2.5キロになります。

 春蚕I期目の蚕は、養蚕農家へ5月中旬に配る予定。今回の蚕は、6月に上族(じょうぞく)を迎え、6月中旬には、群馬県の碓氷製糸へ約1.7トンを出荷する予定です。